2008.10.10 Friday
■読書進化論

勝間和代.
小学館101新書,2008.
本は好きだが、「新書」はほとんど読まない、買わない。
そんな私がなぜこの本を買ってしまったのか。
理由はただひとつ。
「題名にひかれたから」
失礼ながら私は、「勝間和代」というお名前を存じ上げなかった。
リアル書店では、児童書と文芸コーナーしか見ないし、
片田舎の主婦という職業柄、移動はほとんど車で、
電車の広告を拝む機会などない。
テレビはあんまり見ないし、新聞も購読していない。
つまり、勝間さんのプロモーションにひっかからない部類の人間だったのである。
ネット書店で買った理由も、読みたくてというよりは、
なんとなく買ってしまったという感じ。
でも読み進めるうちに、これは「なんとなく」ではなく、
戦略にハマッタノダと確信した。
“第四章「売る」仕組みを進化させる”には、以下のような一節がある。
「2008年の私の挑戦は、新しい顧客に対してどのようにアプローチ
していくかということです。」
あー、勝間さん。スゴイ営業力ですね。
私、つかまっちゃいましたよ。
内容は「実験的要素をもつ読書からはじめる自己啓発本」とでもいえば
いいのだろうか。
題名から私が想像していた読書論とは異なっていたが
堅苦しくなくて読みやすかった。
勝間さんは、本にはさまざまな可能性があり、
読書には人を進化させる力がある、と述べている。
ただ、自分を進化させるためには「読む技術」が必要であると。
加えて読んだだけで終わりにせず、本のアドバイスを実行に移すことも
必要であると。
でも、行動を実行に移すには勇気がいるものである。
だから、勇気のハードルが低く実行に移しやすい提案がある本というのが
読者にとってのご利益本なのだという。
そんな角度からこの本を見ると、
読者の立場から、書店の立場から、出版社の立場からと
手抜きに見えてしまうほどたくさんの実践と成果の引用がある。
初心者でも行動したくなるような仕掛けが施されていることがわかる。
仕掛けは他にもある。
出版社サイトに特設されているウェブ版『読書進化論』
<http://sgkn.jp/katsuma/>、
『読書進化論』ブログ【勝間和代のBook Lovers】
<http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/book_lovers/>、
印税寄付プログラム Chabo! <http://www.jen-npo.org/chabo/>、
インターネットラジオ、動画インタビュー、コラムなどなど、
考えられるアイディアはすべて詰め込み、
どこからでもかかってこい!的なパワーに圧倒される。
また期間限定ではあるが、ブログ等に感想をコメント・トラックバック投稿すると、
『読書進化論』の増刷版に掲載されたり、勝間さんのイベントにご招待、
なんてこともあるようである。
ここまで周到に読者・書店・出版社を巻き込み、
互いに作用しあうような仕掛けをするなんて本当にすごい。
今まであまり意識したことがなかったが、
これからは受身の読書から行動する読書へと、
自分を進化させるような読書をしていきたい。
そして、「新しい本の形態」という実験の開発にも係わってみたい。
素直にそう思った。
「読書進化論」とは、
「読書を通して一緒に進化していこう」ということなのかもしれない。
勝間さんが本の向こう側で、「こっちへおいでよ」と手招きしているような気がした。
















